オモウマフェスに見るTVの未来

度々、このブログでも伝えているのですが、名古屋の中京テレビの「オモウマイ店」という番組。

毎回毎回、唯一見続けているテレビ番組です。数十名の番組スタッフが、全国(時に海外)の「おもてなし過ぎてうまい店」を情熱大陸ばりに密着取材し、バラエティー番組として届ける、という構成。毎回、笑いあり、涙ありで、いつも楽しみにしています。

私は、なぜ見続けているかというと、密着取材をとおして、店主や働いている人のオモイを感じ取れるところが、日々の自分の行いと省みて、あ~凄いなあ、こうありたいなあ、と思うからです。

昨日は福岡の中華料理屋さんでした。炒飯でも700円だが、炒飯と麻婆豆腐かけても700円。うまい、やすい。一日終わって、財布を見たら、すっからかん。でも店主は「それで良い」という。オモウマい店の人は、たらふく食わしてやりたい、おいしい、ありがとうと言ってもらえるだけでまずは幸せと思う、という哲学。ここに、非常に感動し、当社にも取り入れていかないといけないと思うわけです。

事業活動をしていると、色々な方と取引をします。それぞれの方が、それぞれのオモイでやっていらっしゃる。その一つ一つに対して文句等は言えないわけです。しかし、これ、どうなんだろう?と思う時も正直あります。そこには、何かしらの価値と金銭を交換している以上、その取引に向き合って頂きたい、という自分が大切にしている価値観があるからなのだと、最近気づきました。

さて。この「オモウマイ店」ですが、経営という観点で見ても楽しいのですが、TV局の未来という観点で見ても、指し示してくれているような気がするのです。

今時、電波でリアルタイムでTV番組を見る必要はなくなかった。SNS上の有名インフルエンサーもいて、TVの中の人という芸能人だけにあこがれるわけでもない。大がかりなセットも不要で、スマフォ一つで高画質な映像が撮影できる時代。TV局は斜陽産業と言われ続けている。そんなTV局の未来の在り方にチャレンジしている気がするのが、このオモウマなんです。

数十人抱えるスタッフは、スタジオの中では無く全国に飛ばす。
全国の中からマスに伝えたいタカラの原石を見つけてくる。
素人主体で、芸能人はサブ。映像を見て、突っ込むだけという構図。
一回で取材を終えるのではなく、何度も取材しにいく。
スマフォやハンディカメラで撮影して生っぽい映像を重視する。

これまでのよくあるグルメ番組とはまったく違うアプローチが、結果的に茶の間に響いているのかなと思ったりします。

そして、最近では「公式ファンブック」を販売し、昨日、3月に「オモウマフェス」を埼玉スーパーアリーナで開催すると発表をしました。視聴者と、制作側の交流の場としてのフェス。

たった一枚、一ページの企画書から始まったであろう、この番組。

日本全国を巻き込むムーブメントに成長しています。

正に、TV局が、世の中にエンタメを届けるコンテンツプロバイダーとして脱皮しているような瞬間を見ている気がします。

時折炎上してしまうのでヒヤヒヤしていますが、これからも応援したい番組です。