好きか、得意か、意義があるか。

今週は、2023年の上半期の振り返りとして、全社員と1:1で面談を行いました。

面談では、普段話せない、本人の悩みや、キャリアパス、人によってはプライベートな話を聞きながら、会社が向かう方向に各従業員が疑問を抱いていないか、意欲的に働いてくれているか、を確認しました。

面談を行うと、今の業務や役回りに対して、悩みを抱えている人も多いことがわかりました。

決して、今の業務や会社が嫌というわけでも無い。

楽しい人と楽しい時間を過ごせていて、大きな不満があるわけではない。

でも、自分は何したいんだっけ?何者になりたいんだっけ?今、自分の働きは会社に十分貢献できているのだろうか?と、自身の将来のキャリアパスが不鮮明で悩まれている方や、自分の会社に対する貢献度の少なさに悩まれている方も一定数いました。

私自身は、自分自身を見失いそうになった時、自信がなくなった時は「得意なこと」に向き合うことを推奨しています。

こういう方向に行くべきだ!という義務感や、●●ってかっこいいな!という憧れではなく、他人から「君は〇〇に向いているよ!」と言われたことや、「なんか●●はできちゃうな…」という方向性で進んだ方が、結果的に良い結果が生まれやすいと考えています。

振り返れば、私自身の人生もそうでした。

幼い頃から、スポーツでは、私は長距離走が得意でした。なぜかはわかりませんが、特に練習もしていないけれど、小学校や中学校の頃は陸上部の人よりも速く、校内で結果を出すことができていました。中学生の時、陸上部の先生から「長距離走、得意なんだから、適切な指導を受けたらもっと伸びるよ。陸上部に入って本格的にやらない?」と誘って頂いたことがありました。でも、当時は、得意な陸上競技に情熱を捧ぐ気にはなれず、高校に入るタイミングで、全くやったことが無かったソフトテニス部に入りました。なぜソフトテニス部かというと、当時所属していた学校で一番強かった(インターハイなどの実績もあった)からでした。ただの憧れで入った、というだけでした。

しかしながら、球技が得意なわけでも無く、スタートが遅かった私が勝てるわけがありませんでした。努力はしたけれど、その努力の方向性は、得意な「走り込み」で持久力を伸ばすことでした。結果から言えば、高校生活でレギュラーを勝ち取ることはできませんでした。

今思うと、「走ることそのものが好き」だったんだと思います。

あの時の自分の選択を誤った、とは思いません。決して不得意なことでも、情熱を持って挑戦したことに後悔はありません。悔しい気持ちを知ったことで、得意なことに集中をすれば結果が出やすいんだ、ということを知ることができました。

同じくして、今週、会社のアドバイザーの阿久津先生とお話をする機会がありました。先生の方からは、「従業員が意欲的に働いてくれるか?」という、企業の競争力の源泉であるエンゲージメントを構成する要素として、下記3つが重要であるとアドバイスを頂きました。

①その仕事が得意かどうか
②その仕事が好きかどうか
③その仕事に意義があるかどうか

私にとっては初めて聞いた話ではありませんでしたが、丁度半年に一回の振り返りの週だったため、改めて、この視点を持って社員との面談に臨むことができました。私は①②③の中でも、起点となるのは、やっぱり①かなと感じています。③その仕事に意義があるか?というのは、顧客接点から遠い部署や業態だと感じることが少ない人も多いです。②の好きかどうか?というのは、判定すること自体が難しいのではないでしょうか。例えば、マネージャーの人は、業務を間違えた人に叱責をする必要があります。でも、叱責をすることが好き、なんて人は余りいないわけで、マネージャーの人は、必要に応じて演じている、というのが事実です。しかしながら、①その仕事が得意かどうか、というのは、判定しやすいんではないかな、と思います。他の業務と比べてミスが少ない、業務がスムーズ、褒められることが多い、ストレスを感じることが少ない…そういう風に感じることってあると思います。

大事なことは、「得意な業務を見定めて、組織の中でアピールすること」です。社員の皆さんには、是非、この機会に、ご自身の「得意なことは何か?」を考え、日々の業務の中で発揮して頂くことを期待しています。