「仕事ができる」とはどういうことか

いつも一緒に仕事をしている人、特に若輩者に伝えていることを今日はお伝えします。

入社して数か月、多くの人は「仕事を覚えるので大変!」という感覚でしょう。会社からは教育コストを投資され、貢献ができていないと感じている人が多いのではないでしょうか。

通常、トップの即戦力で採用しない限り、どんなに優秀な方でも、最初の半年~1年は会社からTakeするモノが多く、Giveするモノは少ないと思います。ビジネスは一年で流れることが多いため、だいたい2年目(つまり2週目)くらいから、自分ひとりの力で仕事をこなせるようになるでしょう。

しかしながら、その2年目も「ただこなすだけ」というのが大変であり、「自分は仕事ができるな~」と思える人、というのは少ないのではないでしょうか。

そもそもですが、仕事ができる、とはどういうことでしょうか?

売上を作ることでしょうか?
期日を守って業務を進めることでしょうか?
きれいなコードを書くということでしょうか?

意外にも、「仕事ができるとはどういうことか」について定義ができていない、もしくは理解できていない人が多いと思います。

私の中では、仕事が出来る人というのは、「直面したことが無い新たな課題に対して、過去の知見を類推するなどして解決することが出来ること」と定義をしています。

このエピソードを語る時、いつも私は米国に留学した時の話をします。私は20歳で初めて日本を飛び出し、米国のマサチューセッツ州に留学しました。Amherstという田舎町で過ごした1年は実に刺激的だったわけですが、留学当初は、全く英語なんて話せるわけがありません。しかしながら、徐々に耳が慣れてきて聞き取れるようになったころ、図書館の横で観光に来ていた親子の会話を聞いていました。お父さんが、この図書館が全米で一番高い図書館なんだよ~と説明していた時に、小さな子供が

子:Wow! This is the liburary!

と言ったわけです。この時、初めて自分は英語を英語でそのままの意味で理解する、という体験を初めてしました。これまでは、それってなんの意味なのかな?みたいに日本語に置き換えて理解していたのですが、そのまますっと入ってきたときに、あ、これは進歩したな、と思ったわけです。日本語に敢えて訳すなら、たぶん「これがあの噂の図書館か~!」みたいな意味だと思います。

時を経て、アメリカ人の友人が、ルーツビールにチキンフライ食べるのを見ていて、”This is the American!”と自然に使ってみたところ通じました。この時、初めて英語を英語として使うことができ、「あ、自分、英語使えるようになったかも」と思えた瞬間でした。

これは語学の一例ですが、仕事でも同じようなことは多数あると思います。お客さんから過去に無い問い合わせが来た時。上司から無理難題な課題が課せられた時。これどうすんねん?と頭を抱えるわけですが、それを過去の経験、知見から何とかして紐解いていく。あの時はこうだったから、今回はこうではないかな…と取り組んでみる。それでうまくいく場合もあればうまくいかない場合もありますが、ぱきっと話が進んだ時に、なんとも言えない爽快感や手ごたえを感じることでしょう。私はこのような経験を再現性を持って得ることが出来る人が仕事ができる人なんではないかな、と考えています。

本日も創意工夫を重ねましょう!